auひかりマンションタイプGを解説【2022年版】対応エリアや導入など
auひかりマンションタイプGは、2018年11月より新たに導入された既存のメタル電話線を使った高速通信方式です。共用設備とモデムさえ交換対応を行えば、提供エリア内に限り料金そのままで速度アップが見込めることは特徴の1つです。
しかし、auひかりマンションタイプGには運用方法により速度に違いが生まれやすく、個別の電話線により通信速度が左右されやすいことなどは注意したいポイントと言えるでしょう。 そこでこの記事では、auひかりマンションタイプGの対応エリアや導入方法など利用する際に確認しておきたいポイントを紹介していきます。
auひかりマンションタイプGには2種類の運用方式がある
auひかりマンションタイプGには、G契約とV契約という2種類の運用方式があります。全く同じ設備やモデムを使用していても、契約内容次第で速度に大きな差が生まれてしまう点に注意しなければなりません。
では、auひかりマンションタイプGとは、具体的にどのような仕組みで既存のVDSL契約からの置き換えが行われているのでしょうか。
auひかりマンションタイプGはG.fast方式を採用している
auひかりマンションタイプGは、G.fast方式と呼ばれるG.9701標準規格に則った方式を採用しています。VDSL方式にあった速度上限を新たな通信方式により大幅に引き上げることで、マンションの壁内にある電話線を交換せずに速度アップを行えるわけです。
G.fast方式が持つポテンシャルをチェック
従来のVDSL方式とは異なりG.fast方式では、電気が通る電話線に流す周波数帯域を高めつつノイズ対策を行っています。多くのマンションで採用されているVDSLはVDSL2までの規格となっていることが一般的です。
しかし、通信事業者により最大値が違うことはNTT東西のVDSLとKDDIのVDSLで違いがあることから明らかです。G.fastの最大通信速度は高速化されているものの、必ずしも標準規格となる最大値が採用されているとは限りません。
規格項目 | VDSL2 | G.fast |
---|---|---|
周波数帯域 | 30Mhz以下まで | 2Mhz~212Mhzまで |
規格上最大伝送速度 | 250Mbpsまたは150Mbps | 最大1,000Mbps |
上り下りの最大速度 | 固定設定 | 可変設定可能 |
auひかりマンションタイプGの最大速度を確認しよう
auひかりマンションタイプGでは、本来ならば上り下り合計で1,000Mbpsに対応しているG.fast規格であっても合計830Mbpsに制限しています。
電話線を使って各部屋まで通信するauひかりについては、次のような速度の違いがあると知っておく必要があります。
契約プラン | 下り最大速度 | 上り最大速度 |
---|---|---|
タイプG(G契約) | 664Mbps | 166Mbps |
タイプG(V契約) | 100Mbps | 100Mbps |
タイプV | 100Mbps | 35Mbps |
都市機構DXタイプV | 70Mbps | 30Mbps |
上記のように同じauひかりマンションタイプGでも、G契約とV契約によって下り最大速度が6倍近く異なるため、G契約で利用する方が大きなメリットを受けられるでしょう。
auひかりマンションタイプGは共用設備交換とモデム交換の組み合わせで速度が変わる
auひかりマンションタイプGは、MDF室と呼ばれる電話線を束ねてある装置がある部屋にVDSL共用設備が置いてあります。
VDSL専用の共用設備をG.fast対応の設備に交換することで、auひかりマンションタイプGの設備へ容易にアップグレード可能です。実際に速度アップを行うためには、各部屋に設置してあるVDSLモデムをG.fast対応モデムに交換しなければなりません。
実際にauひかりマンションタイプGならではの高速通信を行うためには、次の3つの条件が全て揃う必要があります。
- 共用部分にある専用設備をG.fast対応の機器へ交換する
- 部屋ごとに設置しているモデムをG.fast対応の機種へ交換する
- 希望するタイプG(Gプラン)とタイプG(Vプラン)を選んで契約する
もし、1つでも条件を満たしていない場合は、高速通信でインターネットを利用できないため、申し込み前には条件をよく確認しておきましょう。
auひかりマンションタイプVとの違いを把握しておきたい
auひかりマンションタイプVとauひかりマンションタイプGは、共用部にある設備と各部屋のモデムによる違いです。中でも最も大きな違いは、上り速度の最大値がタイプVの最大35Mbpsから大幅にアップする点にあります。
タイプVではauひかりの場合に下り最大100Mbpsに対して上りは最大35Mbpsという固定比率でしか対応していません。
しかし、auひかりマンションタイプGとなれば、たとえ速度制限があるV契約であっても上り速度を最大100Mbpsまで上げることが可能です。双方向通信が増えている近年では、上り速度のみが高速であっても体感速度が遅く感じてしまうことが珍しくありません。
auひかりマンションタイプGの料金も要チェック
現在では、auひかり以外にもマンションで利用できる光回線は増えています。そのため、auひかりと同時にマンションで利用する光回線を比較することは重要です。特に毎月必要となる月額料金は重視したいポイントの1つなので、auひかりマンションタイプGの月額料金を以下の表にまとめました。
契約プラン | 月額料金(税込) | 条件 |
タイプG(G契約)お得プラン | 4,180円 | ・16契約以上 ・2年単位での自動更新 |
タイプG(G契約)お得プラン | 4,510円 | ・8契約以上 ・2年単位での自動更新 |
タイプG(G契約)標準プラン | 5,390円 | ・16契約以上 |
タイプG(G契約)標準プラン | 5,720円 | ・8契約以上 |
タイプG(V契約) | 4,180円 | ・16契約以上 |
タイプG(V契約) | 4,510円 | ・8契約以上 |
auひかりマンションタイプGの料金は、契約するタイプ・契約年数・同じ建物での契約数によって異なります。
しかし、V契約の場合は、契約年数による料金の違いはなく、同じマンションでの契約数によってのみ変動することは注意したいポイントです。
なお、ここではインターネットのみを契約した場合の料金を解説しましたが、オプションを契約した場合は月額料金が別途発生するため注意しましょう。
auひかりマンションタイプGを導入するにはどうしたら良いのか
auひかりマンションタイプGを導入したいと考えた時には、どのような手順でタイプVから変更すれば良いのでしょうか。
従来のVDSL方式からG.fast対応のプランへ切り替えるためには、サービスエリアの拡大とマンション側設備の対応を待たなければなりません。
対応エリアはauひかりマンションタイプGのエリア検索でチェック
auひかりマンションタイプは、設備導入状況により随時エリア検索が必要となります。
auひかりマンションタイプGのエリアは順次拡大しており、2018年11月にサービス開始となった東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪県・兵庫県以外にも群馬県の一部に拡大中です。
auひかりマンションタイプは、auひかりが旧TEPCOひかりエリアを吸収した経緯から、auひかりマンションタイプが導入されていれば対象となりやすいです。
auひかりマンションタイプGに対応しているプロバイダとは
auひかりマンションタイプGに対応しているプロバイダは、タイプG(V契約)ならばauひかり公式サイトに掲載されている7つのプロバイダ全てに対応しています。
しかし、タイプG(G契約)に関しては次の4つのプロバイダのみに限定されている状況です。
- au one net
- @nifty
- So-net
- Biglobe
auひかりマンションタイプVを利用中であって、住んでいるマンションがタイプGに共有設備が対応可能となった場合が問題です。
現状の下り最大100Mbpsという部分がタイプG(V契約)では変わらず、上り速度のみ最大35Mbpsから100Mbpsへアップするだけの変化となります。
そこで、タイプG(G契約)への変更を行いたいならば、場合によりプロバイダの乗り換えが必要となりやすいです。
タイプVからの契約変更に対応しているのはauonenetと@niftyのみ
auひかりマンションタイプVからタイプきG(G契約)への契約変更に対応しているのは、au one netと@niftyの2社のみであって、So-netとBiglobeについてはauひかりを解約した上で再度新規申し込みをしなければなりません。
同一プロバイダへの解約新規申し込みは、キャンペーン適用を受けられない可能性がある点に注意しましょう。
auひかりマンションタイプGはベストエフォート型ならではの評判
auひかりマンションタイプGは、実際に使用した際の評判が大きく分かれてしまうサービスとして知られています。なぜなら、ネットワークが混雑している状況や手持ちのPCやタブレット自体が高速通信に耐えられるだけの性能を持っていなければ体感出来ないからです。では、通信機器に問題が無い場合であってもauひかりマンションタイプGは評判が大きく変わってしまう部分があるのでしょうか。
個別のマンション毎にauひかりマンションタイプG提供状況が異なる
auひかりマンションタイプGは、提供エリア内であってもマンション共有設備がG.fast規格に対応した機材へ交換が済んでいなければなりません。
タイプG(G契約)が出来たとしても、実質的な速度についてタイプG(V契約)と同等の上り下り共に最大100Mbpsに制限されてしまうことがあります。
なぜなら、マンション内部の電話線敷設状況やMDF室の設置場所により、高速通信に必要な高周波数を電話線に流した時に干渉波が発生することがあるからです。
VDSLの上位規格として定められたG.fastは、VDSL2よりも更に高周波を流す兼ね合いにより、ISDN回線や専用線といった別の回線との干渉が発生することがあります。干渉波を抑えるために高周波部分をカットした通信を行わなければならず、タイプG(G契約)でありながら上り下り共に最大100Mbpsとなる場合があるわけです。
G.fast分散集合装置から自室までの電話線の距離次第で評価が変わる
タイプG(G契約)を行ったからといって必ずしも下り最大664Mbps・上り最大166Mbpsの恩恵を得られるとは限りません。
なぜなら、G.fast規格では電話線の長さに関する規定が存在し、次のような速度低下条件が規定されているからです。
MDF室内集合装置からの長さ | 上り下りの合計最高速度上限値 |
電話線路長100m未満 | 500Mbps~1,000Mbps |
電話線路長100m以上200m未満 | 200Mbps |
電話線路長200m以上250m迄 | 50Mbps |
タイプG(G契約)用の集合装置があるMDF室からの電話線路長により通信速度は左右される
かつてのADSL時代を思い起こすと分かるように、電話線に流せる周波数を広くすれば通信速度を上げられますが、電話線の長さにより高周波ほど減衰率が高くなります。
ADSLよりも高周波を使うVDSLでは、大規模マンションほど高層階が伝送損失による減衰率で速度が遅くなりがちです。
VDSLよりも更に高周波まで使うG.fast規格では、電話線路長100m未満となる場合ほど高速通信を期待出来ます。
高層マンションの場合には、G.fast集合装置の設置場所が1階にまとめて設置されてしまうと高層階ほど不利です。そこで、分譲マンションならば階層別のMDF室内まで光ファイバー線を引き込みフロアー別のG.fast分散装置設置を管理組合で希望する必要があります。
auひかりマンションタイプGへの変更はプロバイダ次第で柔軟に考えよう
auひかりマンションタイプGを利用したいならば、現在使用しているプロバイダから契約変更可能かどうか調べることが前提です。
必要に応じて他のauひかりマンションタイプG(G契約)対応プロバイダへ変更すれば、料金は変わらずに速度面が大幅に改善する可能性があります。
まとめ
この記事では、auひかりマンションタイプGの概要について解説しました。
auひかりのマンションタイプには、タイプGを含めた8つのタイプが提供されており、最大通信速度や通信方法などが異なるため注意する必要があります。
しかし、安定した速度で通信ができることはauひかりのメリットであるため、これから光回線を利用したいと考えている方はチェックしてみてください。
auひかりは以下のリンクでキャッシュバックも受け取れますので、詳細を確認してみてくださいね!
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