【2020年版】インターネット回線スピードの目安とは?平均や速度が遅い時、測定方法など
インターネット回線のスピードは「メールやLINE、WEBページの閲覧」なら30Mbpsほどで快適です。しかし、用途によっては高速なスピードが要求されます。初心者の方など特にインターネットの速度については、用途にあったスピードが分かりにくくないでしようか。
本記事では、用途ごとに快適なスピードの目安を紹介していきます。光回線とモバイルWi-Fiの平均実測や、速度が遅い時の対策、測定方法が気になる方も本記事をご一読ください。
インターネット回線のスピードについて
インターネット回線のスピードには、次の3種類があります。
【下り・上り・Ping値の3種類】
通信の種類 | 主な特長 |
---|---|
下り | インターネット上からデータをダウンロードする時の速度 |
上り | インターネット上にデータをアップロードする時の速度 |
Ping値 | 応答速度(自宅のコンピュータ⇔インターネット上のサーバー) |
下りと上りは数値が大きいほど快適に、Ping値は数値が低いほど快適になります。また、インターネットでは「bps」でスピードを表すのが基本です。次のように1,000ごとに数値の単位が変わります。
【1,000ごとに変わるbpsの単位】
- 1,000bps=1Kbps
- 1,000Kbps=1Mbps
- 1,000Mbps=1Gbps
インターネット回線のスピードを比較
インターネット回線は光回線、モバイル回線などさまざまです。次からは回線の下りスピード(理論値)を比較していきましょう。
【回線の下り理論値を比較】
回線の種類 | 下り理論値 |
---|---|
光回線(光ファイバー網を使用) | 100Mbps~2.0Gbps、10Gbps |
モバイルWi-Fi(モバイル回線を使用) | 110Mbps~1.2Gbps |
ADSL(電話回線を使用) | 1.5Mbps~50Mbps |
ISDN(デジタルの電話回線を使用) | 64Kbps |
ダイヤルアップ(電話回線を使用) | 56Kbps |
ADSLは2023年~2024年に終了予定となっています。これからインターネットをはじめる方は光回線、またはモバイルWi-Fiとなるでしょう。また、実測は混雑状況などの要因で理論値より落ちることが多いです。
【光回線とモバイルWi-Fiの平均実測を比較】
通信の種類/回線の種類 | 光回線(※1) | モバイルWi-Fi(※2) |
---|---|---|
下り平均スピード | 178.8Mbps | 32.36Mbps |
上り平均スピード | 160.64Mbps | 4.15Mbps |
平均Ping値 | 23.89ms | 69.89ms |
下り平均スピード、上り平均スピード、平均Ping値ともに光回線のほうが有利です。
(※1)NTT回線の場合
(※2)端末「Speed Wi-Fi NEXT W06」の場合
参考:みんなのネット回線速度
【下り】用途ごとの快適なインターネット回線スピード
次からは下りの用途で快適なスピードの目安を紹介していきましょう。
【快適なスピードの目安】
下りの用途 | 快適なスピードの目安 |
---|---|
メールやLINE、WEBページの閲覧 | 200Kbps~30Mbps以上 |
音声通話・ビデオ通話 | 200kbps~6.0Mbps以上 |
動画視聴 | 1.0Mbps~30Mbps以上 |
アプリのダウンロード | 47Mbps以上 |
下りの用途で快適になるスピードについて、詳しくは次のとおりです。
メールやLINE、WEBページの閲覧
「メールやLINE、WEBページの閲覧」といった用途では200Kbps~30Mbps以上のスピードが快適の目安です。
【快適なスピードの目安】
下りの用途 | 快適なスピードの目安 |
---|---|
メールやLINE(テキストのみ) | 200Kbps以上 |
WEBページの閲覧 | 10Mbps~30Mbps以上 |
メールやLINE(テキストのみ)なら200Kbpsほどのスピードでも十分です。しかし、画像の多いWEBページだと30Mbpsほどのスピードが快適の目安となります。
音声通話・ビデオ通話
「音声通話・ビデオ通話」の用途では200kbps~6.0Mbps以上のスピードが快適の目安です。マイクロソフトのWEBツール、Skypeでは次のスピードを推奨しています。
【Skypeの推奨スピード】
通話の種類 | 推奨スピード |
---|---|
通話 | 100kbps |
ビデオ通話(高品質) | 500kbps |
ビデオ通話(HD) | 1.5Mbps |
グループ ビデオ通話(3人) | 2.0Mbps |
グループ ビデオ通話(5人) | 4.0Mbps |
参考:Skypeの推奨スピード
快適さを考える場合、公式の推奨より上のスピードが欲しいところです。そのため、音声通話・ビデオ通話は次のスピードが快適とします。
【快適なスピードの目安】
通話の種類 | 推奨スピード |
通話 | 200kbps |
ビデオ通話(高品質) | 1.0Mbps |
ビデオ通話(HD) | 2.5Mbps |
グループ ビデオ通話(3人) | 3.0Mbps |
グループ ビデオ通話(5人) | 6.0Mbps |
動画の視聴
「動画の視聴」の用途では1.5Mbps~30Mbps以上のスピードが快適の目安です。Googleの動画共有サービス、Youtubeでは次のスピードを推奨しています。
【Youtubeの推奨スピード】
動画の画質 | 推奨スピード |
---|---|
SD 360p | 0.7Mbps |
SD 480p | 1.1Mbps |
HD 720p | 2.5Mbps |
HD 1080p | 5.0Mbps |
4K | 20Mbps |
動画についても公式の推奨より上のスピードが快適になると考えます。そのため、動画の視聴は次のスピードが快適とします。
【快適なスピードの目安】
動画の画質 | 推奨スピード |
---|---|
SD 360p | 1.5Mbps |
SD 480p | 2.0Mbps |
HD 720p | 4.5Mbps |
HD 1080p | 8.0Mbps |
4K | 30Mbps |
アプリのダウンロード
「アプリのダウンロード」の用途では47Mbps以上が快適の目安です。
【1GBのダウンロード時間】
下りスピード | ダウンロード時間の目安 |
---|---|
100Mbps | 1分26秒 |
47Mbps | 3分3秒 |
24Mbps | 5分58秒 |
12Mbps | 11分56秒 |
8.0Mbps | 17分54秒 |
3.0Mbps | 47分43秒 |
1.5Mbps | 1時間35分27秒 |
47Mbpsなら3分3秒の時間で1GBのダウンロードが完了します。人によって感覚が異なるものの、1GBを5分以内でダウンロードできれば快適と言えるでしょう。
【上り】用途ごとの快適なインターネット回線スピード
上りの用途で快適なスピードの目安は次のとおりです。
【快適なスピードの目安】
上りの用途 | 快適なスピードの目安 |
---|---|
画像の投稿 | 8.0Mbps以上 |
動画の投稿 | 24Mbps以上 |
上りの用途で快適になるスピードについて、詳しくは次をご覧ください。
画像の投稿
SNSサイトなどで「画像を投稿」する場合、快適なスピードの目安は8.0Mbps以上です。
【3.0MBのアップロード時間】
上りスピード | アップロード時間の目安 |
---|---|
12Mbps | 2秒 |
8.0Mbps | 3秒 |
3.0Mbps | 8秒 |
1.5Mbps | 17秒 |
上りで8.0Mbpsのスピードがあれば、3.0MBの画像を3秒ほどで投稿できます。ファイルサイズの小さい画像なら、さらに短い時間で投稿できるでしょう。
動画の投稿
Youtubeなどで「動画を投稿」する場合、24Mbps以上のスピードが快適の目安です。
【50MBのアップロード時間】
上りスピード | アップロード時間の目安 |
---|---|
100Mbps | 4秒 |
47Mbps | 9秒 |
24Mbps | 17秒 |
12Mbps | 35秒 |
8.0Mbps | 52秒 |
3.0Mbps | 2分20秒 |
1.5Mbps | 4分40秒 |
上りで24Mbpsのスピードがあれば、50MBの動画を17秒で投稿できます。時間の短い動画なら、さらにアップロードが速く完了するでしょう。
【PING値】用途ごとの快適なインターネット回線スピード
Ping値が重要となるのは次の用途です。
【Ping値が重要となる主な用途】
- オンラインゲーム
- オンライントレード
オンラインゲームのPing値について次のような口コミが見られます。
上下回線速度〇〇mbpsってのは速度測定した時に見ると思うんだけど
それはダウンロード、アップロードにこれだけの情報量を一度にやり取り出来ます
って情報でPingは回線の安定度合いを見るやつなの
だいたい?20が快適
50はラグを感じる
100?はラグ過ぎて無理
って感じ?— Harold?R’lyeh (@ff14_harold) July 23, 2019
【口コミから見るPing値の評価】
Ping値 | オンラインゲーム時の評価 |
---|---|
20以下 | タイムラグが少なく快適 |
50 | タイムラグを感じる |
100 | タイムラグをかなり感じる |
オンラインゲームのジャンルによるものの、Ping値は20~50ms以下が目安です。オンライントレードではPing値50ms以下が快適の目安となります。詳しくは次の解説をご覧ください。
オンラインゲーム
オンラインゲームでは下り30Mbps~100Mbps以上のスピードが快適の目安です。しかし、ストリートファイターや大乱闘スマッシュブラザーズなどのオンライン対戦ゲームでは下りのスピードよりPing値のほうが重要となります。
なぜかと言うと、Ping値の高いインターネット回線だと対戦が不利になりやすいからです。タイムラグがある分だけ対戦相手への攻撃が当たらない、対戦相手からの攻撃を避けられないといった事態が生じかねません。
【ジャンルごとの快適なPing値の目安】
主なジャンル | 主なオンラインゲーム | 快適なPing値の目安 |
---|---|---|
TCG | Shadowverseなど | 100ms以下 |
MORPG/MMORPG | ファイナルファンタジー/モンスターハンターワールドなど | 50ms以下 |
MOBA | DOTA/リーグ・オブ・レジェンドなど | 30ms以下 |
FPS/TPS | ストリートファイター/大乱闘スマッシュブラザーズなど | 15ms以下 |
オンライントレード
株やFXなどのオンライントレードでは下り10Mbpsほどのスピードが快適の目安です。しかし、相場が乱高下している時などではPing値のほうが重要となります。
Ping値の高いインターネット回線だとタイムラグにより、意図しないタイミングで注文が約定しかねません。快適にオンライントレードしたい方は、Ping値50msほどを目安にすると良いでしょう。
インターネット回線のスピードテストで測定してみよう
どのくらいの実測が出ているのか、知りたい時に便利なのが次のWEBサイトです。
【スピードを測定できるWEBサイト】
WEBサイト名 | URL |
---|---|
USENのインターネット回線スピードテスト | https://speedtest.gate02.ne.jp/ |
Bandwidth Place | https://www.bandwidthplace.com/ |
USENのインターネット回線スピードテスト
USENのインターネット回線スピードテストでは「測定開始」のボタンを押すだけで次のことが分かります。
【スピードテストで分かること】
- DOWNLOAD(下りのスピード値)
- UPLOAD(上りのスピード値)
- PING(応答速度の値)
- JITTER(遅延の変動値)
JITTERでは回線の質が分かります。JITTERの数値が低いほど回線の質が良くなりPing値が安定しやすいです。USENのインターネット回線スピードテストでは、用途別回線スピード判定結果も分かります。
【用途別回線スピード判定結果の項目】
- WEBサイト閲覧
- SNS利用
- ビデオ通話
- 高画質動画(480p)
- フルHD(1080p)
- 4K
- オンラインゲーム
- スマホアプリゲーム
- メール
- ビデオ会議
- クラウド利用
- 大容量通信
十分なスピードが出ている時は「快適」と表示されます。
Bandwidth Place
海外サーバーを選べるのがBandwidth Placeです。サーバーの位置が遠くなるほど、Ping値は高くなる傾向があります。
海外にあるサーバーだと、どのくらいのPing値になるのか調べたい時に便利です。インターネット回線のスピードがメーターで表示されるため、視覚的に分かりやすくなっています。
速度が遅い時の対策について
測定した結果、十分なインターネット回線のスピードが出ましたか? 速度が遅い時は、次の対策を実践してみてください。
【速度が遅い時の主な対策】
- 再起動してみよう
- 2.4GHz→5GHzへ変更してみよう
- ルーターの接続台数を少なくしてみよう
- 無線LAN→有線LANに変更してみよう
- 最新の機器に見直ししてみよう
それぞれの対策について、詳しくは次の解説をご覧ください。
再起動してみよう
ONU(光回線終端装置)やルーター、機器(パソコンなど)は正しく接続していますか? スピードが落ちる原因の一つとなるのが接続不良です。そんな時は再起動するとスピードが改善することがあります。
電源を切る時は機器(パソコンなど)→ルーター→ONUの順番を守ってください。ルーターとONUはコンセントの抜き差しで電源オン・オフが可能です。パソコンはOSの方法にしたがって電源オン・オフしてください。
電源オンする時はONU→ルーター→機器(パソコンなど)の順番で行ってください。
2.4GHz→5GHzへ変更してみよう
Wi-Fi接続には2.4GHzと5GHzの帯域があります。2.4GHz→5GHzへ変更すると、スピードが改善することがあります。
2.4GHzは電子レンジなど多くの電気製品で使用する帯域です。そのため、電波干渉を起こしてインターネット回線のスピードが落ちることがあります。
5GHzなら多くの電気製品で使用していないため、電波干渉は起こりにくいです。Wi-Fiルーターの方法にしたがって帯域を変更してください。
ルーターの接続台数を少なくしてみよう
Wi-Fiルーターではパソコン、スマホ、タブレット、ゲーム機などさまざまな機器を同時接続できます。速度が遅い時は接続台数を少なくしてください。
接続台数が多くなるほど、スピードが落ちやすいです。複数のパソコンを使っている場合、インターネットしないパソコンは接続から外しておきましょう。
無線LAN→有線LANに変更してみよう
無線LAN→有線LANに変更すると、スピードが若干向上することがあります。LANケーブルが届く範囲は、なるべく有線LANで接続したほうが良いでしょう。LANケーブルはカテゴリーによって性能が異なります。
【LANケーブルのカテゴリー】
カテゴリー名 | 対応スピード |
---|---|
カテゴリー8 | 40Gbps |
カテゴリー7 | 10Gbps |
カテゴリー6A | 10Gbps |
カテゴリー6 | 1.0Gbps |
カテゴリー5e | 1.0Gbps |
カテゴリー5 | 100Mbps |
光回線を引いている方は、カテゴリー6以上の性能を持つLANケーブルを選ぶと良いでしょう。
最新の機器に見直ししてみよう
SNSサイトには次の口コミが見られます。
家族の協力で、ブツブツ切れまくってた光回線(5GHz)が見事に復活。
最新の周辺機器を据え付けるだけで、本来の通信速度を取り戻せるとは。お金の力は偉大なり?? pic.twitter.com/g6mBBQD96G
— こゆるぎ美冬@創作あれこれ (@KoyuOriwork) July 5, 2020
機器が古いとスピードが落ちることがあります。お金に余裕のある方は最新のパソコンやルーターに見直しすると良いでしょう。最新のパソコンならOSやブラウザなども最新の環境になります。
また、光回線には次のような口コミが見られます。
光回線をIPv6 IPoEにグレードアップしまして、さっくさくのネット環境を手に入れました。
何このノンストレス??
たったの数百円でこんなに変わるなんて知らなかった…
教えて下さった皆様のおかげで
更に快適ネットライフになりそうです。感謝??これで生配信もこわくない!!#yucat
— yucat/ユキャット (@yucat1031) July 9, 2020
光回線なのに十分なスピードが出ない時は、次世代の接続方式IPv6 IPoEに注目です。
まとめ
インターネット回線スピードの目安を紹介してきました。
【幅広い用途に対応するスピードの目安】
- 下りスピードで47Mbps以上
- 上りスピードで24Mbps以上
- Ping値で30ms以下
上記の3つを満たしていると幅広い用途に対応しやすいです。光回線では下りも上りも同じ理論値の場合があります。Ping値も低いことが多いため、スピード重視の方は光回線を選ぶと良いでしょう。
外出先でインターネットしたい方はモバイルWi-Fiを選んでください。ただし、オンラインゲームはタイムラグによりプレイに支障が出る可能性があります。
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